原点は、「自分だったら抜きたくない!」
歯学部生の頃、多くの先生から言われた「根管治療は真面目にやったら大赤字だ」と
いう言葉は、裏を返せば「根管治療は開業医ではしっかりできない」という忠告です。
卒業後ほどなくして知ったのは、たとえ真面目な歯科医師であっても、赤字がゆえに
日々進化する技術に設備投資も追いつかず、結果ベストが尽くせていないという現実。
周りと同じように手抜きの根管治療をするのか、それとも鳴かず飛ばずのままやって
いくのか。歯科医師として、人間としてのこれからの生き方に岐路が生まれていました。
私が選んだのはそのどちらでもありません。「根管治療専門医に弟子入りし、その道の
スペシャリストになる」という道でした。理由は非常にシンプルで、「自分だったら
抜きたくないから、ベストを尽くせるようになりたいから」。
家族や大切な人にベストを尽くせない自分をイメージしてみると、非常に惨めで悔しい
のです。私達のようなやり方は日本では全くと言っていいほど浸透してはいませんが、
いつかきっと風向きが変わると信じて、変わらないのならば変えてやるという想いで、
目の前の一本の歯を守ることに全力を尽くしてまいります。
かい歯科クリニック院長 中村 快(Kai Nakamura)