「毎日楽しく生きるための補綴治療」
補綴治療(かぶせもの)は、虫歯などによって歯の一部が失われてしまった状態から、再び噛めるように回復することを目的としたものです。
もともとあった歯を人工物で置き換え、それでずっと生活していくわけですから、「歯の役割」というものを全て有してなければなりません。
Micro Prosthodontic dentistry
補綴治療(かぶせもの)は、虫歯などによって歯の一部が失われてしまった状態から、再び噛めるように回復することを目的としたものです。
もともとあった歯を人工物で置き換え、それでずっと生活していくわけですから、「歯の役割」というものを全て有してなければなりません。
大きく分けると「食事」と「コミュニケーション」です。「よく噛める幸せ」は、よく噛めるうちは
分かりません。しかし、噛んだときの痛みや違和感を覚えてしまうと、毎回の食事が憂鬱なものになって
しまいます。歯の「コミュニケーション」における役割とは、単純に話すときの発音だけではありません。
笑顔や見た目の印象に、歯は非常に重要な役割を果たします。人が視覚から得る情報は膨大であるため、
深層心理までもが左右されてしまいます。自分の見た目が気になるというだけで、思い切り笑うことが
できなくなってしまい、毎日が楽しくなくなってしまうこともあるでしょう。「しっかり噛める機能」と、
「見た目の美しさ・自然さ」両方をあわせ持っていることが、「楽しい毎日のための補綴治療」をする上で
前提となるのです。
当院が特に重視しているのは、丈夫で長持ちしてくれる「耐久性」です。歯の治療は何回もできるわけ
ではありません。治療をして、悪くなって、治療してのサイクルを繰り返しているうちに、抜かなければ
ならない状態に追い込まれます。そのためには極限まで精密であることと、劣化や壊れるリスクの少ない
材料を選ぶことです。今の時代、とかく「オールセラミック」「メタルフリー」がもてはやされていますが、
実は「ゴールド」が最も精密で壊れないという事実は、50年前から変わりません。当院では、患者さんの
希望をできるだけ考慮し、ベストな選択と治療ができるよう心がけています。
保険治療(銀歯やプラスティック)と自費治療(金やセラミックなど)の違いは材料だけではありません。
制作過程や担当する技工士のランクなど様々な点でこだわるため、最終的な出来は大きく異なります。
すべてのステップで確実にベストを尽くすことが「本当の自費治療」であると、私達は考えています。
歯の形を整える「形成」というステップにも、マイクロスコープや拡大鏡は欠かせません。一般的には
目の粗いダイヤモンドバーで形を整えて終了ですが、当院の精密形成は、そこからさらに仕上げ研磨を
していきます。尖った角や、デコボコな面がなくなるように、つるつるな仕上がりにします。
仮歯が上手くできないと良い被せ物はできないと言っても過言ではありません。しかし、患者さんの中に
仮歯を作ってもらったことがあるという方はあまりいません。仮歯は保険治療の点数に含まれていない
ため、作らないという歯科医がほとんどです。当院では必ず仮歯を作り、安心・確実な治療をしています。
仮歯の制作が上手くできれば、型取りの際には非常にキレイな歯肉のコンディションが得られています。
ここで「個人トレー」による型取りです。個人トレーとは、型取りをする道具自体からオーダーメイドで
制作する方法です。これを用いるシリコーン印象により、寸法変化の極めて少ない型取りができます。
歯と歯肉の境界線をより明確に出すため、さらにひと手間「歯肉圧排」というステップを加えます。
歯と歯肉の間に圧排糸という細い糸を入れることで、境界線がくっきり分かる型取りができます。
非常にマニアックで伝わらないこだわりなのですが、当院では「副模型法」にて技工物を制作しています。
簡単に言うと「技工物を作るための石膏模型を2つ用意し、かぶせもの自体をピッタリ作るための模型と、
噛みあわせや隣同士の歯の関係を合わせるための模型を分けるやり方」です。制作コストや手間が余分に
かかってしまうため、ほとんど普及していません。しかしこの方法が微妙なズレや誤差を極限まで小さく
するためのひとつのピースでもあります。
ここまでのステップをキチンとやれば、出来上がってきたものはピッタリフィット。噛み合わせの誤差も
非常に小さいです。しかし、口のセンサーは驚くほど繊細なため、噛みあわせが髪の毛一本分高いだけで、
かなりの違和感が出てしまいます。当院では、0.01mm単位で一本一本確認します。
厚さ0.01mmのホイルで確認
歯科における接着の技術は目覚ましい発展を遂げています。当院では最高クラスの接着性セメントを使用
しています。接着後は余分なセメントを徹底的に除去し、最後にレントゲン写真で取り残しのセメントが
無いかを確認します。このときにも、マイクロスコープが活躍します。
非常にフィットの良いセラミッククラウン。
セメントの取り残しもみられない。
歯科治療は、どこかひとつでもダメなところがあってはいけません。最初から最後まで、細心の注意を払うことが重要です。
歯は削ってしまったらもとには戻りません。極力その治療が長持ちするように、再治療にならないような治療を心がけています。