かい歯科クリニックかい歯科クリニック 谷町九丁目、上本町の歯科医院

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天然歯を守る最後の砦に

「歯は大事にしたい」「歯を抜きたくない」「いつまでも自分の歯で生きたい」
このような考え方が、やっと日本で浸透しはじめてきたように思います。そして、街の
いたるところに「抜かない、削らない」がモットーの歯科医院が並んでいます。

なのに、なぜこうも「歯を抜かなきゃいけないと言われた」「痛みや腫れが引かない」
「治したのにまた痛い」という悩みや訴えが絶えないのでしょうか。そのような悩みや、
1本の歯に真剣に向き合う歯科医院はどれくらいあるのでしょう。残念ながら日本では、
歯を残すための重要な「根の治療」、すなわち「根管治療」が非常に軽視されています。
かい歯科クリニックは、歯を抜かずに残すための最後の砦でありたいと考えています。

先進と伝統のハイブリッド

最大24倍拡大、肉眼とはまさに別世界の、超繊細な治療を可能にするマイクロスコープ。
複雑に入り組んだ根管の内部構造を、3Dイメージで正確に映し出す歯科用CT。
Ni-Tiファイル、手用マイクロブレード、超音波切削機器、MTAセメント…etc。
国内での普及はまだまだですが、根管治療に取り組むにあたっては欠かせないものです。
本物の根管治療に取り組む当院では、先進機器やこだわり抜いた道具と材料を揃えています。
根管治療は、正確な診断をもとに、頭に思い描いたイメージを指先に伝える総合技術です。
器用なだけでは診断を誤り、理論だけでは実体を掴めず、理念が無ければ時代に流されます。
日本の根管治療の始祖から脈々と受け継がれてきた技術と理念が、先進テクノロジーにより
更に磨かれ、より高い次元に昇華されたハイブリッド。それが私たちの根管治療です。

1根管治療はこんなに大切

「治したはずの歯が痛い」「ずっと違和感がある」「歯ぐきから膿が出てくる」
それは、もしかしたら根管治療の失敗が原因かもしれません。

1)「根管治療」とは?

歯の内部には神経や血管の集合体である、「歯髄」という組織があります。歯髄は「根管」を通じて歯に
栄養・水分を供給し続ける、非常に重要な器官です。むし歯が歯髄に到達してしまうと、細菌感染により
炎症が起こり、猛烈な痛みが襲いかかります。しばらくすると炎症は根管内のすみずみまで、ついには
根の先の骨まで進み、骨をも溶かしていきます。「根管治療」とは、根管内に侵入した細菌や感染源を、
根の先の先まで取り除き、再び感染しないよう緊密に塞ぎフタをするという治療です。根管内の細菌が
極限まで少なくなれば炎症は鎮まり、溶けた骨は再生し、歯が再び使えるようによみがえります。

歯が痛い

2)根管治療が歯の存亡の鍵を握る

根管治療が不適切に行われた場合や、虫歯による再感染を起こしてしまうと、根管内では細菌が増殖し、
慢性的な炎症が持続することで病態はじわじわと進行していきます。根の先の骨は少しずつ溶け、そこ
には常に膿がたまっている状態になります(根尖病変)。痛みや腫れ、歯肉から膿が出るといった症状を
繰り返していく中で、根尖病変は次第に大きくなり、最終的には歯を抜くという結末が待っています。
根管治療は見えないところの治療のため、キッチリ行おうが多少手を抜こうが、すぐには分かりません。
しかし、建築における基礎工事のような治療のため、ここで少しでも手を抜いてしまうと後から大変な
ことになってしまいます。

建物が傾く

3)「最初の1本」を失わないということ

もしその歯を抜いてしまえば、歯が原因である根尖病変はなくなり、膿も出なくなります。しかし、その
1本の歯がなくなってしまうと、それを埋め合わせる治療をしなければなりません。逆に歯を抜いたまま
放置してしまうと、口の中では様々な変化が起こります。噛み合わせの崩壊は少しずつ始まり、将来的に
多くの歯を失うことになるドミノ倒しが始まってしまいます。
1本の歯が残せるか否かは非常に重要なことです。根管治療により歯を残すということは、たとえそれが
1本の歯であっても、その両隣の歯と合わせて3本分、将来のもっと多くの歯を救うと言っても過言では
ない、非常に価値のある仕事です。欧米諸国では、もともと非常に高かった根管治療の価値が近年になり
更に高まっています。日本では歯を抜かないために手を尽くすよりも、抜くことになってインプラントを
選ぶという流れが未だに主流のようです。

ドミノ倒し

4)なぜ今根管治療なのか?人生100年時代の生き方

人生100年時代が来ると言われています。否が応でも100年生きなければならない時代なのです。現代の
80歳は非常に元気な方が多いですが、歯の状態はそれに追いついてないようです。それを映し出すように、
シニア世代の「若いうちにやるべきだったこと・後悔していること」のアンケートのトップは「歯の定期
検診を受ければよかった」です。シニア世代の悩みは「歯の状態が悪くて困っている」ということです。

トップ20

この図は、各国の歯科定期検診の受診率と、80歳で何本の歯が残っているかを示したものです。これは、
予防歯科の重要性を示すためによく用いられるものです。たしかに定期検診(メインテナンス)が非常に
重要なものであることに疑いの余地はありませんが、仮に日本でも同じような定期検診の習慣ができたと
しても、今のままでは同じ結果にならないと私は考えます。なぜなら、日本では根管治療をはじめとした
歯を残すための治療技術のレベルや意識が低いからです。歯を守るためには、予防習慣だけでなく、歯を
残すための適切な治療が必要なのです。

グラフ

2日本と世界の根管治療

まず、辛く暗く、そして苦しい現実を先に示します。
「日本の根管治療の平均レベルは、各国と比べ最底辺である」
「日本の根管治療の平均的な成功率は40%以下である」
これは、日本の保険制度に縛られた中で、多くの歯科医師が良い仕事ができないことも大きな要因です。
「国や制度が良くない」と文句を言うのは簡単ですが、現在の私たちの問題解決にはなりません。
今、私たちがどうするかが重要です。

1)日本の根管治療のレベルは最底辺?

まずはこちらの図をご覧ください。これは簡単に言うと、「根管治療がうまくいかないまま残されている
歯の割合」です。つまりどういうことかと言うと、「日本の根管治療の平均的な成功率は、どれだけ高く
見積もっても40%以下である」と言うことです。この論文中でも、「保険制度の制約で治療環境を整えら
れない」、「日本の保険制度を変えることは厳しい」と述べてあります。

グラフ

事実、日本の保険制度における根管治療の報酬はびっくりするほど低いのです。下図は各国の根管治療の
治療費と、物価の基準としてハンバーガー100食分の費用とを比較しています。保険点数をもとにした
診療報酬がいかに低いかということが分かります。この図を、どのように解釈しますか?
「日本は、こんなに安く根管治療が受けられる良い国だ」と読みますか?
「安い報酬で根管治療をしなければいけない、日本の歯科医って大変だ」と読みますか?
それとも…?
「日本の保険治療では、安かろう悪かろうの治療しか受けられない」と読みますか?
「赤字な根管治療はボチボチにして、駄目ならインプラントの方が良さそうだな」と読めませんか?

グラフ

2)欧米こそが正義なのか?

例えば米国などでは、「10万円払えない人は、根管治療を受けるまでもなく抜歯」です。大学病院で
学生や研修生の実習台として治療を安価に受けられる制度もあり、これは非常に良い制度だと思います。
その点日本では、成功率が40%以下ではありますが、非常に安価に根管治療が受けれられます。

日本の一部の根管治療専門医には「アメリカの専門医や大学の言っていることは正しい」という風潮が
ありますが、私は必ずしもすべてが「科学的に正しい」とは思いません。一見して「科学」的にみえる
意見やスタンスの裏に、「契約社会」「訴訟社会」「分業社会」が生んだ歪みのようなものが見え隠れして
います。科学は国境や時代を超えて普遍的なものでは必ずしもないのです。日本に生まれ日本で暮らして
いる私達には、私達のベストがあるのではないでしょうか。

歯の画像

虫歯になった歯を研究するための標本は、
治療を受けられずに抜いた歯で作られている。

3)歯を失ったら、インプラントする日本人

私が歯科医師になってまず疑問に思ったことは、「インプラントが先進治療である」という風潮です。
当時と今では少しだけ違いますが、いまだにその雰囲気が抜けていません。もちろん、インプラントは
失った歯に対して非常に有効な治療法です。しかし「歯を残す治療に対しての意識が低すぎないか?」と
思ってしまいます。たとえば、インプラント治療を受けているような人が、残っている歯の治療を銀歯に
したり、歯磨きの徹底がなされていなかったりもします。「失ってからお金を払うけど、失わないための
投資や努力はしない」というのが、当時から私は非常に悲しく思っていました。

インプラント

4)日本で良い根管治療を受けるには?

私は学生時代に、「根管治療なんか頑張っても赤字だ」と言われたことがあります。歯医者になりたての
ときにも、研修先で「根管治療にそんな時間をかけるな」と言われていました。
学生時代や若手のときに、根管治療を頑張ろうとしている人は意外と多いです。そしてその内の多くが、
経営的な事情や収入の低さなどを理解し、だんだんと標準的な歯医者になっていきます。

弟子入りし修行を積み、専門的な根管治療ができたときは、ベストを尽くせることが嬉しく思いました。
日本でも、現実に負けずに良い根管治療を追求している歯科医師はいます。大家の師匠のもとで修行する
先生もいれば、海外で学んでくる先生もいます。いろんな流派や考え方がありますが、共通しているのは
「はじめからその姿勢を貫いている」ということです。水は上から下へ流れ、一度汚してしまった紙は
完全な白紙にはならないのです。そのような人たちに会えば、「この人は信念を持っているな」という
意思やスタンスが否応なしに伝わるものです。

根管治療の姿勢

3本物の根管治療とは?

何が本物か。正解へのルートはひとつではありませんが、原理原則は一つです。
根の病気は、根管内の細菌が原因です。菌を徹底的に除去し、菌が侵入しないようにすれば治るのです。

1)診断、CT分析、総合治療計画

診断が正しくなければ、全てが無駄です。痛い歯はどの歯か、その原因はなにか、介入治療が必要なのか、
そもそも痛みの原因は本当に歯なのか、様々な手段で徹底的に診断します。根管の内部はとても複雑で、
すべての根管が曲がりくねっています。それもCTで事前に内部構造を把握し、頭の中で3Dイメージし、
どのように治していくかの設計手順を考えます。根管治療は診断を基盤とした頭脳プレイなのです。
また当院は「根管治療しかしない」という「専門医院」ではないため、最終的な全体の噛み合わせの調和、
歯周病、見た目の美しさまでの総合的な治療計画も立てていきます。

分析

2)マイクロスコープで、「手探りの治療」が「視える治療」に

私は初めてマイクロスコープで治療をしたとき、全く違う世界が視えることに衝撃を受けました。
「歯の中に潜り込んでいるような感覚になる」と言っても過言ではないくらい、別世界なのです。
根管と言いますが、その構造はチューブ状ではありません。内部は洞窟のようにいびつに入り組んでおり、
隠れた空間や抜け道があったりします。中に明かりが全く無い洞窟の探検は、原始人ならば松明片手に
ズンズン進んで行けるかもしれませんが(そして足を滑らせて転落したりもするのでしょうが)、現代人
ならばもっと安全かつ効率的で正確な方法を選ぶでしょう。
マイクロスコープなしの根管治療は、私からすればとても原始的で、不確実なものと言わざるを得ません。

マイクロスコープ

3)そもそも根管治療にさせない虫歯治療

「根管治療が上手い人ほど、安易に根管治療をしない」ということをご存知ですか?
どんなに上手く根管治療をしても、生きている歯髄には到底敵いません。歯髄は歯に栄養と水分を与える
役割もあります。それがないと、枯れた枝のようにポッキリと折れやすい状態になってしまいます。
そのため私達は、なんとしてでも神経を抜かない治療、つまりは歯髄の保存を試みます。一見して神経を
抜かなければならないような状態でも、なんとか残していけることは非常に多いのです。根管治療に力を
入れている歯科医師の手にかかるということは、そもそも根管治療をする確率を下げることにもなります。
(この件に関しては、「歯髄保存療法」のページにて詳しく説明します。)
本当の本当に必要性があるとき以外は神経を抜かないというのも、当院の根管治療の特徴です。

マイクロスコープ

4)先進技術で、伝統的な理念を実現させる

先進技術のベクトルというのは、クオリティの向上以外にも様々な方向に向けられます。例えば、誰でも
簡単にできるようにという力の向け方もあり、とりわけ近年はその傾向が強いと感じます。それはそれで
素晴らしいことですが、当院が採用するものは「クオリティ向上につながるもの」のみです。根管内の
細菌を徹底除去すれば病変は治るわけです。それは何十年も前に分かっていることで、本来外科的治療
(歯根端切除)や強力な薬剤や化学薬品に頼らなければならないことはないのです。

「伝統的な理論と方法を、先進技術でより高い次元で行う」ということが当院の根管治療の基盤です。

4抜かずに治った!実際の治療例

ここでは実際に私が行った治療例を紹介します。
一度も根管治療していない歯の治療は、高い成功率が期待できます。特殊な根管や複雑な病態を
併発している場合は難易度が高くなります。
すでに根管治療がされている歯の再治療は、失敗の修正などから始まるため、難易度が更に高まります。
しかし、歯を残せる可能性がある限り、手を尽くさなければなりません。

1)手付かずの根管をスマートに確実に

ズキズキ痛い歯や、歯髄が壊死した歯の治療です。適切な治療をすれば、その後に問題が起きることは
ほとんどありません。しかし、急なカーブなど複雑な形態を持っている根管の割合は非常に高いため、
専門性の高い歯科医師でないと適切な治療を達成するのは困難です。適切でハイレベルな根管治療をした
歯のレントゲン写真は、歯科医師でなくともスマートで美しく見えるのではないでしょうか。

治療前

治療後

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

レントゲン写真

2)4根管、C-shape(樋状根)、難症例根管の診断と治療

大臼歯は最も負担が大きく、構造が複雑で治療が難しいため、最も根管治療の成功率の低く、失いやすい歯でもあります。中には根管の数が
1本多く存在し、CTやマイクロスコープでよく観察しないと見落としてしまう歯もあります。また歯が育つ過程で、より複雑な内部構造に
なってしまった珍しい歯(C-shape、樋状根)もあります。このようなケースでは、マイクロスコープなどの設備だけでなく、より熟達した
技術がなければ全く対応できないというパターンが非常に多いです。

ケース1
step1

右上7番目の歯が痛い。

step2

上顎洞にまで炎症が及んでいます。

step3

3本+1本の隠れた根管があります。

step4

すべての根管をしっかり治療しました。

step5

上顎洞の炎症が消えています。

ケース2
step1

一番奥の歯の神経が死んでいます。

step2

病変はかなり大きく、黒い部分の骨は溶けています。

step3

病変が大きすぎて歯周ポケットとつながっています。
「エンドペリオ病変」と呼ばれる、難症例の典型です。

step4

根管充填後。

step5

病変がキレイに消え、骨が再生しています。

step5

根管の断面が「C」にみえることから、「C-shape」と
呼ばれる、解剖学的な難症例のひとつです。

3)誤って穴をあけられた。根管内で器具が折れてしまった歯のリカバリー

ただの手抜きや、途中までしか治療ができていないというのはまだ救いがあります。そのようなケースは、「後からきちんと再治療をすれば
治る可能性が高い」とも言えます。頑張って治療しようとした結果、根の先の繊細な構造が壊れたり、修正不可能なコースアウトをしたり、
根管の中で器具が折れてしまうこともあります。真面目に頑張った結果、より状況が悪化してしまうことは少なくありません。
そのようなトラブルからのリカバリー症例を、ここでは紹介します。

ケース1
step1

step1

根管の入り口を発見しようとする過程で目測を誤り、歯を突き破っている上、
その間違った穴を隠すようにフタがしてあります。

step2

step2

マイクロスコープを覗きながら、非常に繊細な細かい道具で歯の外にはみ出た
充填物や炎症組織を取り除き、よく洗浄・消毒をします。

step3

step3

次の治療のときには、もう腫れや炎症がおさまっています。
MTAという材料で穴を補修します。(パーフォレーションリペア)

step4

step4

根管充填時には、隠れた脇道(側枝)が確認されました。
もう片方の歯には、誤って折られてしまった器具がみられます。

step5

step5

破折ファイルをマイクロスコープ下で除去します。
なんと合計3本の折れた器具が埋められていました。

step6

step6

根管充填後にはブリッジを装着し、治療完了です。
腫れていた部分は跡形もなく治っています。

ケース2
step1

step1

奥2本のかぶせが外れたまま放置していた結果か、虫歯が進み大きな病変が
できています。手前の歯(右上6番)は、歯にヒビが入り割れていたため、
半分抜歯となりました。奥の歯には前医によって折られた器具が残っています。

step2

step2

CT分析の結果、折れた器具がある根に病変があることが判明しました。
これを除去しないことには病変が治らないことが予想されます。
病変自体も非常に大きく、上顎洞を押し上げています。

step3

step3

折れた器具の除去は精密・的確に行わないと、根の構造を壊してしまいます。
より熟達した経験や、鋭いセンスが必要となります。

step4

step4

新しいかぶせが入る頃にはかなり病変が治り、骨が再生しています。

step5

step5

治療後のCTでも、上顎洞を押し上げていた病変が消失し、骨の形が
元通りになっていることが分かります。

4)ここまで骨が再生する。2本まとめて抜歯宣告からの復活

通っていた歯医者で、「奥の歯を2本まとめて抜かなければならない」と言われてしまったとのことです。初診のレントゲンを見て、あまりの
病変の大きさに驚きました。根尖病変でここまで骨が溶けてしまうのか。前医が抜きましょうと言ったのも納得できるほどの進行具合でした。

しかし歯を残したいという強い希望があり、真面目に通院していただけた結果、半年後にはここまで骨が再生しました。この骨の再生具合
には、治療をした自分も驚くほどでした。このケースから、「ゆっくり進む病変とは言え、放置するとここまで進行してしまうこともある」
ということ、「根の治療でここまで骨が再生する」ということを学びました。根管治療は、実際に触っている場所は根管、つまり歯の内部だけ
ですが、「治癒を起こさせる場所」は歯の先、歯の周りの骨などの周囲組織なのです。

step1

step1

2本の歯に根尖病変がまたがり、非常に広範囲の骨が溶けています。
奥から2番目の歯の神経もすでに死んでいました。歯周ポケットとの
交通もあり(エンドペリオ病変)、保存困難であることが予想されます。

step2

step2

膿がなかなか収まらず、治癒に半年ほどかかりました。
レントゲンでも、かなり骨が再生しているようにみえます。

step3

step3

1年後のCTです。歯の周りを囲んでいた黒い部分が消え、
網目状のものに置き換わっています。溶けていた骨が再生し、
正常な歯の周りの組織に治癒しているのが分かります。

step4

step4

歯周ポケットもなくなり、グラグラ揺れていた歯でしたが、
今はしっかり止まっています。

5いつまでも自分の歯を残したい方へ

根管治療は終わりましたが、これがゴールではありません。その歯で噛めるように機能回復し、さらにそれを長持ちさせるという
道のりが始まります。根の治療をした歯は弱っていますので、より繊細なケアが必要となります。

1)再感染をさせない。精密補綴(かぶせ)治療

たとえ治療後でも、再び根管内への細菌の侵入を許してしまうと、根の病気は再発してしまいます。
隙間があるような土台(コア)やかぶせ(クラウン)をしてしまうと、これまでの苦労が台無しです。
根管治療は建築に例えられます。どんなに外壁が立派な家をたてても、基礎や大黒柱が手抜き工事だと
意味がありません。また、大黒柱が立派でも、雨漏りするような屋根では柱が腐ってしまいます。
最後まで手を抜かずにやり切ってこそ初めて意味があるのです。

全体の噛み合わせの調和、歯周治療、精密形成、精密印象、さらに信頼できる技工士との打ち合わせ…。
詳しくは別ページの「精密修復治療」のページをご覧ください。

マイクロスコープ

技工用のマイクロスコープ

2)噛み合わせの不調和や、無理な力が歯を壊す!?

根管治療をした歯は折れやすいため、過度な負担がかかってはいけません。理想的な良い噛み合わせを
持って生まれた方はごく稀です。過去の治療で噛みあわせに不調和ができてしまっていることも多いため、
調和した噛みあわせになるように調節や再構築をすることもあります。歯ぎしりや食いしばりなども歯に
過度な負担を加える大きな原因であるということも認知されてきました。そのような習慣や癖を意識して
やめようと努力すること、夜間のナイトガードの装着なども非常に重要です。

噛み合わせ

3)歯を守るには、メインテナンスと生活習慣改善

虫歯には生活習慣が大きく関わります。それは「甘い物の食べ方」や「歯磨きの方法やテクニック」かも
しれませんし、大事になる前にチェックする「定期的メインテナンス」が無かったからかもしれません。
いずれにしても、それを改善しないことには悪循環から逃れることはできません。病気とセルフケアの
知識・技術をお伝えしていきたいと当院では考えています。

メインテナンス

4)再び症状が出てしまったら?

せっかく頑張って治療した歯に再び症状が出てしまうこともあります。マイクロスコープやCTでも検知
できない歯のヒビがあり、手を尽くしても治らないケースかもしれません。「治らなかった」「再び症状が
出た」という結果、外科的歯内療法や抜歯を行なっているときにはじめて発覚することが多いです。これが
根管治療の難しいところです。当院では最後の最後まで手を尽くします。どうしてもダメなときは抜歯や
外科的歯内療法になることもあるかもしれません。その場合は、なくなった歯の治療が必要となります。

歯